2010年の1月に行ったパラオの旅行記です。パラオには年末年始に行ったばかりですが、今回のターゲットは1月頃に産卵のために集まるツノダシの大きな群れです。
パラオでは、1月ごろにツノダシが産卵のために大きな群れを作るという話は以前から聞いていたのですが、なかなか行くことが出来ませんでした。なにしろこれを見に行くためには、年末年始の休みが終わってすぐに、また一週間休む必要があります。さすがに無理かも?と思っていましたが、いつかはと言っているといつまでも行けないし、そうこうしているうちに群れが見られなくなってしまうかもしれないので、思い切って2010年の1月に行くことにしました。年末年始もパラオだったので、連続のパラオですね。
最近はパラオに行くときは、いつもペリリュー島に滞在しているのですが、ツノダシはブルーコーナー付近に現れるということで、今回はペリリュー島ではなくて、ブルーコーナーにたくさん潜れるであろうパラオスポートを利用することにしました。久々にペリリュー島以外に行くのであれば、普段いけないウーロン方面も潜りたいということで、前半はコロール島滞在でウーロンとブルーコーナーをリクエストして、後半はパラオスポートでブルーコーナーを潜りたおすことにしました。
といっても、1月に一週間休むのはなかなか大変でした。なんとか、上司の許可をとりつけることができましたが、すでに手配済みだったので、もし許可がとれなかったらと考えるとハラハラものでした。
パラオまではいつもどおりコンチネンタル航空を利用しました。CO962で成田(11:05)→グアム(15:35着)に到着です。
成田→グアムの食事
巨大なドリンクカップ...
グアムで4時間ほど時間をつぶして、CO953でグアム(19:55)出発です。いつもグアムではうどんなどを食べていたのですが、今回はBURGER KINGでハンバーガーを食べることにしました。日本と同じ感覚でドリンクをLサイズにしたところ、見たこともない巨大なカップに入ってでてきました。スモールで、日本のLサイズぐらいです。グアムのドリンクサイズは日本と違うので注意しましょう。皆さんはすでにご存知かもしれませんが...
今回は往復ともにヤップ経由でした。行きはまだしも、帰りは真夜中に起こされるのでホントに体に堪えます。パラオのコロールには予定どおり夜の10時半ぐらいに到着しました。荷物もでてきて順調と思いきや、ホテルの送迎が来ていません。送迎に来ていた別の旅行会社の日本人スタッフに相談してみると、ホテルに連絡を取ってくれました。空港で待つこと一時間後ぐらいに、やっとホテルの送迎が来てくれました。私達は、その連絡をしてくれたスタッフのお客さんではなかったのですが、親切に対応してくれました。感謝です。旅行会社はわかりませんでしたが...ちなみに送迎の方は、どうやらフロントで手違いがあったそうで、帰ってしまっていたとのことでした。個人手配だと、こういうリスクはありますね。
ホテルに到着したのは少し遅くなってしまいましたが、明日のピックアップは8:15ということだったので、十分寝れそうです。
デイドリーム コロール店
前半二日間は、コロールに滞在してのダイビングです。ダイビングサービスは、最近ペリリュー島で利用しているデイドリームです。デイドリームは、パラオではコロールとペリリューにそれぞれショップを持っています。1月末の特に祝日にからんでいない日なので、きっと空いているだろうと思っていましたが、なんと5隻も船が出ているとのことで、ショップはかなり混雑していました。デイドリームはコロール店も人気なんですね。
初日は、ブルーコーナー方面に行く船でした。ガイドはダイチさんでした。一本目はブルーコーナーでした。初日から海況も良く、天気も快晴です。年末年始も天気が良かったので、ここのところ天気がいいのかと思いきや、昨日のブルーコーナーは大荒れで大変だったとのことでした。たまたまだったようですね。
エントリーしてしばらくしたところで、インドオキアジの群れがいました。ヤップでは、やっとのことで数匹を写真に撮影できて喜んでいたのですが、ブルーコーナーでは大群になってじっとしていました。近寄っても全然逃げません。写真もビデオも撮り放題です。ヤップでの苦労はなんだったんでしょうか...インドオキアジの群れはギンガメアジの群れと混ざっていました。その後のリーフ沿いでは、オグロメジロザメ、ネムリブカ、ヨコシマサワラにロウニンアジなどが通過していきました。ブルーコーナーはやはり魚影が濃いですね。
二本目もブルーコーナーでした。一本目とは逆側のブルーホール側からエントリーしたところ、ちょっと進んだところで、ツノダシの群れです。想像していたほどは群れは大きくありませんでしたが、今回の旅行の目標だったツノダシの群れを見ることが出来ました。途中で巨大なイソマグロが通過したり、最後はブラックフィンバラクーダの群れが出たりと、ブルーコーナーらしいダイビングでした。
NIKONOS-V 20mm
NIKONOS-V 20mm
NIKONOS-V 20mm
二本終わったところで昼食です。近くのビーチに船を停めてのランチでした。ランチは弁当箱で用意されていて、12種類から選べるそうなのですが、初日はリクエストが入れられないので残った弁当から選ぶことになります。ビーチには雨をしのげるような場所と、トイレも設置されていました。このビーチは満月や新月の頃は、干潮時に船がでれなくなってしまうため、半月の頃にしか使えないということでした。
昼食の休憩場所
この日の昼食
トイレもちゃんとありました
ビーチもきれいです
三本目はニュードロップオフでした。ブルーコーナーを小さくした感じのポイントで、見れた魚はブルーコーナーとだいたい同じでした。
翌日に早朝ダイビングをリクエストしていたのですが、希望者が集まらずに行われないことになってしまいました。通常だと4名程度で催行されるようなのですが、今回のように混んでいるときには8名ほど集まらないと行われないとのことでした。そのかわり明日はウーロンにいけると思うとのことでした。2006年のときのウーロンでのダイビングはイマイチな結果だったので、今回に期待がかかります。明日の弁当を注文し、ダイビングのログ付けをしたあとでホテルに戻りました。ちなみに弁当はアイランド焼肉というレストランで作っているそうで、12種類から選ぶことが出来ます。
朝から天気がよくありません。晴れたのは一日だけだったのかな?と思いつつダイビングサービスの送迎でダイビングに向かいます。この日はウーロン方面へ行くとのことでした。チームは前日と同じでした。特に方面毎にチームを組み替えているわけではなく、そのチームごとに行き先を決めているようでした。雨が降っていたので、ショップで用意しているボートコートを借りました。屋根があるとはいえ、天気が悪いとびしょぬれになるので、ボートコートは必須です。デイドリームでは無料で借りられました。
一本目はウーロンチャンネルです。外洋側からエントリーして、チャネル内をドリフトしました。いろいろな魚もいるし、ドリフトしていくと珊瑚あり、砂浜ありとなかなか楽しめます。ここではイナズマヤッコというアデヤッコに似たキンチャクダイがいるとのことでしたが、見つかりませんでした。警戒心が強くてなかなか見つからないそうです。
二本目はウーロンクリフです。ここはメアジの群れが見られるポイントです。エントリーするといきなりメアジの巨大な群れがいました。イソマグロにホシカイワリがメアジを狙って泳ぎ回っています。時折、グレーリーフシャークも通過していきました。なかなか迫力があります。なんとナポレオンまでメアジを狙っているようでした。普段はおとなしそうに見えるのですが、魚を狙うときにはかなり敏捷です。ツノダシの小さな群れもいました。ツノダシの群れはブルコーナー付近で見られると聞いていたのですが、ウーロン方面でも群れになっているようです。
休憩所で食事
メアジの群れを満喫したところで、近くのビーチで昼食です。ビーチには休憩所がありました。三本目はどこに潜るのだろうと思っていると、ガイドから一度ショップに戻って、三本目は内湾でのダイビングになると言われました。デイドリームからは二隻のボートが来ていて、二隻とも戻るようです。せっかくなので、三本ともに外洋で潜りたいと思い、一隻は外洋で引き続き潜れないかリクエストしてみたところ、一隻は残ることになりました。リクエストに応えて調整してくれたダイチさんに感謝です。ちなみに、チームはそのままで、戻るチームと、引き続き外洋で潜るチームで分けたようでした。チームを組みなおせばいいような気もするのですが、なにか事情があったのでしょうか?この頃にはすっかり天気も回復して再び晴れになっていました。
三本目もウーロンクリフでした。再びメアジの群れです。ちょっと透明度が落ちていましたが、すごい迫力です。イソマグロも獲物を狙っているためにダイバーを気にしていないのか、すぐ目の前を何度か通過していきました。
NIKONOS-V 20mm
NIKONOS-V 20mm
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三本目が終了したところで、ショップに戻って器材を簡単に洗って、干している間にログ付けと精算です。ショップではコーヒーなどが無料で飲めるようになっていました。ログ付けはけっこう丁寧で、どのようなコースどりをしたかなど説明してくれます。 デイドリームではポイントカードを発行していて、一本潜るごとに一ポイントが貯まるようになっています。このポイントはパラオだけでなく、サイパンやグアムのデイドリームでも使えますし、西表と石垣のUNARIZAKIでも共通です。今回のダイビングで20ポイントになったので、オリジナルグッズとしてファーストステージカバーをもらいました。前回は名刺入れだったので、いろいろと品を変えているようですね。30ポイント貯まると、2ダイブが無料になります。ちなみに精算にはカードが使えます。
ショップ内の様子
コーヒー、ココアなどが用意されています
パラオスポート
ここから二日間はパラオスポートでダイビングです。ホテルを7:00に出発して、ボートでパラオスポートに向かいます。天気は回復してきているようで、雨に降られることもなく、パラオスポートに到着しました。朝食を船で食べた後に、ダイビングの準備をします。
午前の一本目はジャーマンチャンネルでした。エントリしてマンタの旧クリーニングステーションに行ってみると、一枚のマンタがいましたが、すぐにいなくなってしまったので新しいクリーニングステーションへ。すると二枚のマンタが現れました。何回かは頭上を通過してくれました。
ジャーマンチャンネルはマンタで有名なポイントですが、最近になってルールが厳しくなり、マンタを見るときはかならず着底しなければならなくなりました(詳しくはこちら)。そのかいあってかどうかはわかりませんが、最近ではマンタが良く見られるようになっているようです。今回もマンタが二枚も見れた上に頭上を通過していってくれました。これまで何回かジャーマンチャンネルに潜っていますが、これまでマンタを見たことがほとんどなかったので、ポイントが復活してくれたのは嬉しいですね。
船の後方のデッキから、ジャーマンチャネル方向をパノラマ撮影してみました。快晴ですね。
この日の昼食はそばでした
午前の一本の後は昼食です。この日はそばでした。昼食が着替えてゆっくり食べられるというのは、パラオスポートならではですね。ペリリュー島のときなどはハエとの戦いだったですからね~。昼食後の二本目はブルーコーナー。流れの関係で、ツノダシのいる側でのエントリーではなかったので、ツノダシの群れは見られませんでしたが、エントリーしてすぐにブラックフィンバラクーダの群れ、棚待ちでオグロメジロザメ、巨大なイソマグロ、ギンガメアジにオオメカマスとインドオキアジなどなど、ひととおりの魚が登場しました。さすがブルーコーナーですね。
三本目はマクロポイントのジャーマンリーフでした。アオマスクが見られるポイントということで...ラッキーなことに目の前を泳いでくれましたが、大物好きな私達としては、あまり見るものもないダイビングでした。ここはごく稀にオルネートイーグルレイが見られることもあるということで、ずっと探してみましたが透明度もあまり良くなく、見つかりませんでした。
(翌日に別チームが、このポイントでオルネートイーグルレイを見たそうです。この日に出ていれば~)
パラオスポートでのダイビングは2006年のGWに利用して以来の4年ぶりでしたが、ガイドはすべて入れ替わっていました。前回はとにかく厳しい印象しかなくて、ちょっと離れるとカンカン鳴らされるような状態でしたが、今回はわりと自由に潜らせてくれるようになっていました。安全重視もいいですが、ある程度の自由はあったほうが、ダイビングを楽しめますよね。
NIKONOS-V 15mm
NIKONOS-V 15mm
NIKONOS-V 15mm
きれいな夕日
この日も天気はかなり良く、夕日もとてもきれいでした。クルーズだと周りが海なので、夕日をのんびり楽しめていいですね。
早朝ダイビングへ出発
早朝ダイビングは6:40にブリーフィング開始です。一本目はブルーコーナーです。朝一番にブルーコーナーに潜れるのがクルーズの良さだったのですが、最近はコロールでも5時ピックアップの早朝ダイビングを催行しているようで、パラオスポートが一番ではなくなってしまいました。それでも、まだ空いているうちに潜れるのはいいですよね。ガイドが何度も水中をチェックしながら、エントリーポイントを探します。エントリーするとすぐにツノダシの群れがいました。ただ群れの大きさはあまり大きくありません。そのうちに群れが二つに分かれてしまい、よけいに小さな群れになってしまいました。
二本目はブルーホールです。ツノダシの群れは、ブルーホールからブルーコーナーの間にいるようなので、ブルーホールを潜った後に、ブルーコーナーまで流すプランです。エントリーしようとしたところで、デイドリーム・ペリリュー店の遠藤ガイドがポイントチェックをしているところに遭遇しました。どうやらツノダシ狙いでペリリューから来ているようです。なんだ、そういうことなら、デイドリームのペリリュー店にしても良かったか...(後日、デイドリーム・ペリリュー店のログをチェックしてみると、ホントにツノダシのみを狙っていたようです)
エントリーするとすぐにツノダシの群れがいたので、しばらく追って撮影した後に、ブルーホールに入りました。いろいろと珍しい魚がいるらしいのですが、ミナミハタしか見つけることが出来ませんでした。ホールから出て、少しブルーコーナーの方に流したところで、再びツノダシの群れです。これまでで、一番大きい群れです。ガイドによれば、これでも過去のとても大きかったときの群れよりは小さいとのことでした。今年は群れがあまり大きくならなかったかもしれませんね。
三本目は再びブルーコーナー。潮の関係でブルーホールとは反対側からのエントリーだったので、ツノダシの群れは狙えません。エントリーして棚待ちしていると、ギンガメアジの群れが目の前を泳いでいました。しばらく見ていると、下からインドオキアジの群れが沸きあがってきたところで、周囲にいたギンガメアジが突然逃げ出しました。何だ?と思った瞬間、巨大なイソマグロが目の前をすごいスピードで通過していきました。さすがブルーコーナーといった感じの迫力のダイビングでした。
四本目も再びブルーコーナーへ。エントリーすると、すぐにツノダシの群れが通過していきましたが、潜行しているうちに通過していってしまいました。少し流したところで、ナポレオン・ネムリブカ・ロウニンアジがリーフの穴をめがけて突進しています。どうやらツノダシを狙っているようです。夕方になってくると、ネムリブカも活動を本格化させるのでしょうか?そこらじゅうで、ネムリブカが頭を穴に突っ込んでいました。ある魚が群れると、それを狙って大物が集まってくる。そして捕食活動が始まる...ツノダシの群れがターゲットでしたが、それを狙う魚たちも見られて、とても面白いダイビングでした。ロウニンアジもツノダシで頭が一杯なのか、ダイバーへの警戒心はとても低く、目の前を何度も通過していきました。
夕方になると現れるクロヒラアジも見られました。最後にはイトヒキアジも登場し、最後のダイビングを飾ってくれました。それにしてもさすがブルーコーナー。潜るたびにいろいろなダイビングを見せてくれます。
NIKONOS-V 15mm
NIKONOS-V 15mm
NIKONOS-V 15mm
船にもどったところで、器材を洗って干しました。昨日までは天気が良かったのですが、最後の干すときになってすっかり天気が悪くなってしまいました。これだと明日までに乾かないかも?
この日の夕食。バイキング方式です。
いつもキムチが用意されていました。
夕食後に恒例のショッピングタイムがありました。ガイドがパラオスポートで販売している品々を紹介するもので、話を聞いているだけでもなかなか面白いです。中には便利そうなオリジナルアイテムもあるので、なかなかあなどれません。マスクのオリジナルストラップや、パラオ必須のオリジナルのカレントフックなど、なかなか良さそうな物もたくさんありました。私はTシャツを買おうとしたのですが、残念ながら合うサイズのものは品切れになっていました...
ショッピングタイム。売り文句がなかなか面白いです
「潜」のTシャツはサイズがなかった...
ショッピングタイムのあとは、ガイドのTAKAさんが撮影した水中写真の上映会でした。オフのときに本格的なデジタル一眼レフシステムで撮影していたので見せて欲しいとお願いしたのです。さすがデジイチで撮影しただけあって、ツノダシの群れなど、とてもきれいでした。その後は、リピータさんたちのパラオスポートにまつわるいろいろな話で盛り上がりました。
朝食後にパラオスポートを下船して、コロール島まで戻りました。朝から天気は良くなかったのですが、コロール島の方は雨も降っていなく、その後パラオ・パシフィック・リゾート(PPR)に移動した頃には晴れ間もでていました。今回もデイユースでの利用です。さすがに年末年始と違ってビーチも空いていますね。
早速、いつもどおりにシュノーケリングをしてみると、なんとビーチ近くの海が魚だらけになっています。どうやらニシン科のミズンという魚のようです。少しメアジも混ざっていましたが、それにしても凄い魚の数です。これまで何回もPPRのビーチでシュノーケリングしてきましたが、こんな魚の群れを見るのは初めてでした。どこからか紛れ込んでしまったのでしょうか?
ミズンの群れ
Powershot G10
常に泳ぎ回っていました
Powershot G10
この日は数回シュノーケリングをしましたが、海に入るたびに群れが見られました。ミズンは昼に浅いところにあがってくるらしいので、本当にたまたま見られたのかもしれません。
いつもデイユース中の食事は、PPRのレストランでとっていたのですが、今回は同じ島にあるエリライで夕食を食べることにしました。PPRの近くには歩いていけるレストランはないのですが、このエリライはディナータイムは無料で送迎してくれます。予約はPPRのフロントにお願いしました。丘の上にレストランがあって、眺めがいいことで有名です。味の方もなかなか良かったです。
味はかなり良かったです
テラス席からみた夜景
その後、夜の11:00にネコシャトルで、PPRから空港に移動して、ヤップ・グアム経由で日本に帰国しました。
今回のパラオは、ツノダシの群れや、ウーロンでのメアジの群れなど目標だったシーンは一通りみれました。さらにそれを狙うホシカイワリ、イソマグロ、ロウニンアジなどが見れた上に、マンタやイトヒキアジ、最後にはミズンの大群もみれてダイビング的にはかなり良かったと思います。さすがパラオ、何度来てもいいところですね。