魚の中には、他の魚のそっくりに擬態しているものがいます。ここではそれらの擬態する魚を集めてみました。英名だとミミック(mimic)という名前がついていることが多いです。
※ここでは周囲の色に似せるものではなくて、他の魚に似せるものだけにしています(周囲に似せるのはとても多いので)。
毒の魚のそっくりさん
他の魚のそっくりにして身を守る場合、毒を持つ魚に似せるのが安全性が高そうです。
そっくりさん
元の魚
解説
擬態する魚としてよく知られているノコギリハギは、毒を持つシマキンチャグによく似ています。背ビレの大きさが違うところから区別できます。
※コクハンアラの若魚もシマキンチャクフグに擬態しているという意見もあるようですが、大きさがちょっと違いすぎるような気もします。
※コクハンアラの若魚もシマキンチャクフグに擬態しているという意見もあるようですが、大きさがちょっと違いすぎるような気もします。
オウゴンニジギンポは牙に毒を持っています。イナセギンポは、このオウゴンニジギンポと同じ体色をしています。
※イナセギンポは地域によってはオウゴンニジギンポに似た別の魚に擬態するらしく、写真のイナセギンポはスミスズファングブレニーに擬態していると思われます。ニューカレドニアではトワイライトファングブレニーに擬態することもあるようです。
安全な魚に似せる
安全な魚に似せるのも効果的ですね。
そっくりさん
元の魚
解説
ニセクロスジギンポ
※写真がありません
ホンソメワケベラは他の魚を掃除することで有名で、実際に水中でみると大人気でいろいろな魚がクリーニングしてもらっています。この魚と同じ体色であれば他の魚に襲われることはないでしょう。ただニセクロスジギンポは、この安全な体色で近づいてヒレなどをかじることがあるらしく、他の魚からすると迷惑このうえない魚です。
群れに紛れる
別の擬態の方法として、群れの中に紛れる魚がいます。
その他
ニザダイ科の魚の中には、キンチャクダイ科の魚に擬態するものがいます。キンチャクダイ科の魚は毒を持っているわけではないので、何のメリットがあるのかよくわからない(警戒心が高くすばしっこい魚に擬態するという意見もあるようです)のですが、すごくよく似ているので偶然ではなく意図的に似せているのは間違いないでしょう。
そっくりさん
元の魚
解説
インディアンミミックサージョンフィッシュの幼魚は、エイブルズエンゼルフィッシュにそっくりです。成魚になると全く違う体色になるので、意図的に似せているのは間違いないと思いますが、ここまで似せるか?というぐらいにそっくりです。
クログチニザの幼魚は、ナメラヤッコもしくはヘラルドコガネヤッコに擬態します。二種類のどちらかに擬態するということは、遺伝的というよりは意図して体色を変えているということなのでしょうか?とても不思議です。